あるスタートアップ企業で中途採用者むけに Ruby on Rails を中心としたキャリアチェンジ研修を行いました。
ソフトウェア開発者不足のスタートアップ企業では、SIerで働いていたソフトウェア・エンジニアの中途採用が増えていると思います。 ソフトウェア開発者としてはベテランの方々ですから即戦力が期待されます。しかし SIer と スタートアップ企業のソフトウェア・エンジニアには違いがあり、キャリアチェンジ研修の重要さを感じました。
プログラミング言語の違い
多くのSIerでは Java, C# 等が使われていますが、スタートアップ企業では Ruby, PHP 等が使われています。たかだかプログラミング言語の違い、ベテラン・エンジニアであれば文法さえ覚えれば直ぐに戦力になれると考えがちです。
しかし、Javaのような静的な言語とRubyのような動的な言語では一見同じように使えても、実は動作原理が全く違う部分があります。プログラミング言語の文法の違い等は直ぐに習得出来るベテラン・エンジニアであるからこそ、その言語の原理・思想を知る事は本当の戦力にるのに必用だと思います。
今回は研修のでは、やや難易度の高い本ですが メタプログラミングRuby を輪講形式で学んでもらいました。この本を学んだことはRubyの本質を理解するのに大きな助けになったと思います。
Ruby on Railsで頻繁に使われている魔法のような機能がこの本を学んだことにより魔術の仕掛けが理解出来ようになり、より Ruby on Rails を深く・正しく使えるようになったと思います。
開発スタイルの違い
一般に、SIerでの開発は自分に割り当てられた担当の仕事を達成していく事が多いと思います。しかしスタートアップ企業では自分の仕事の範囲が明確で無い事が多く、自分から積極的に仕事を進めていく必用があります。
そのためには、Ruby on Railsを使ったアプリ開発が自分のメインの仕事であっても、時には自分のプログラムの接続されているフロントエンドやデータベース等にも深く関わる必要が生じます。そこで、
- RDBとSQL
- データベースモデリング
- フロントエンド(JavaScript, Reactなど)
- インフラ
などの広くシステムを理解するフルスタック的な知識・視点も重要だと思います。
今回の研修では JavaScript, Reactにも時間を割き習得してもらった事は、JavaScriptに対してモヤモヤとしたイメージしか持ってなかったバックエンドを中心に開発してきて受講者達から好評を得ました。
まとめ
このように、たいした違いに思えないところでもSIerとスタートアップ企業には違いがあり キャリアチェンジ研修 はかなり重要なのではないかと考えています。